NKT細胞の抗腫瘍作用
がん細胞を直接攻撃するエフェクター機能
NKT細胞は、自然免疫細胞の一つであるNK細胞の性質を備えており、がん細胞などに対して直接攻撃するエフェクター機能を有していますが、生体内における存在量は少ないことから、直接的な細胞障害活性の効果は限定的です。
アジュバント作用による免疫系の活性化
NKT細胞は、サイトカインの一種であるインターフェロン-γ(IFN-γ)を多量に産生することによって自然免疫系のNK細胞や獲得免疫系のキラーT細胞など他の免疫細胞を活性するアジュバント作用を示し、長期免疫記憶を形成します。
NKT細胞のその他の作用
NKT細胞は、IFN-γ産生による上記免疫系の活性化以外に、インターロイキン-4(IL-4)産生によるB細胞の抗体産生促進やアレルギー性炎症の惹起、IL-17産生による非アレルギー反応の誘導、IL-10産生による自己免疫疾患の発症抑制などにも関与していると考えられています。